終電前、静かなエレベーターでふたりの距離 エントランスのガラスに夜が沈み、彼はネクタイを緩め、彼女はスカートの裾をそっと整える。同僚へ交わす会釈のあいだにこぼれる息は、コーヒーとインクの匂い。言葉は要らないのに、視線だけが丁寧に仕事を続けていた。エレベーターの小さな箱で、揺れに合わせて肩先がかすかに触れ、離れて、また戻る。街の灯りが縞となって流れ、心拍だけがやけに正直だ。終電までの短い余白に、肩書きのままのふたりは、今夜の続きをそっと胸にしまう。 #OL#オフィス#スーツ#ラブストーリー#同僚#夜#密やかな空気