午後の光、デスクに置く小さな決意ひとつだけ

午後の静けさ。
彼女はデスクに腰掛け、ノートの余白に小さな思考を落としていく。
窓辺から射す薄い光が、髪先と指先をやわらかく撫でる。
仕事の合間に息を整えるように、マグカップの湯気がゆっくりと立ちのぼる。
未送信のメール、開きかけの本、整えきれない心の棚。
小さな雑音が、今日を確かな輪郭にする。
彼女は顔を上げ、深くひとつ、頷いた。
まだ続くページのために、今を揺らさず置いておく。
デスクは静かな海、ペン先は航路。
午後はもう少しだけ、やさしい。