大きな絆創膏と、彼女のやわらかな午後時間

小さな不注意でできた大きな「boo-boo」(擦り傷)に大きな絆創膏を貼る彼女。
鏡の前でふっと息をつき、笑って肩をすくめる。
かすかな痛みより、今日という一日の続きのほうが気になる。
カーディガンの袖を直し、湯気立つマグを両手で包む。
白いテープの下で鼓動が静かに整い、窓辺の光が肌をやわらかく撫でる。
ふと見せる横顔に、少しだけ頼りなさと、凛とした強さが同居する。
つまずいても、きれいに貼ればまた歩ける。
彼女の大きな絆創膏は、失敗の隠れ家であり、明日の予告編でもある。
指先で縁をなぞり、深呼吸。
次のページは、もうめくられかけている。

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紙の匂いと午後を編む、窓辺の彼女の静かな時間
風に揺れる白シャツ、花影でほどける午後のひと呼吸
白シャツの彼女、花景色と静けさを分け合う午後
白衣のデスク、青い画面に滲む静かな脈拍音
夜更け、ナースデスクに揺れる灯と息の気配
黒板とマフラー、冬の教室に灯る約束の笑み
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