深夜、画面の灯に寄り添うふたりのささやき

瞼にやさしい青が部屋を満たす。
ノートPCの薄い光に、彼女と彼女の横顔が浮かぶ。
指先が同じトラックパッドをなぞるたび、呼吸がそろい、言葉のいらない頷きが生まれる。
旅行の計画という名の逃避行をスクロールしながら、ふたりは小さな笑いを分け合う。
肩が触れても離れない。
ページのブックマークが増えるほど、胸の内の灯も少しずつ明るくなる。
画面を閉じると、部屋は一瞬だけ暗くなる。
けれど視線が重なり、残った光は瞳の奥で続いていた。
「また明日も」と誰かが囁く。
答えは、重なった影の輪郭にもう書いてあった。

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紙の匂いと午後を編む、窓辺の彼女の静かな時間
風に揺れる白シャツ、花影でほどける午後のひと呼吸
白シャツの彼女、花景色と静けさを分け合う午後
白衣のデスク、青い画面に滲む静かな脈拍音
夜更け、ナースデスクに揺れる灯と息の気配
黒板とマフラー、冬の教室に灯る約束の笑み
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