胸に小箱、届いた気持ちが微笑みにほどける

窓辺の午後、彼女は胸の上に小さな箱をそっと乗せた。
リボンの結び目が、呼吸に合わせて小さく揺れる。
段ボールに伝わる体温が、まだ開けぬ物語を温めている。
差出人の名を指でなぞり、鼓動のリズムを箱に聴かせるみたいに。
レンズの先へ向けた微笑みは、照れと好奇心の境目でやわらかくほどけた。
中身はたぶん、軽やかな約束か、昨日より少し明るい未来。
開けるのはもう少しあと。
待つ時間そのものが贈りものだと、彼女は胸の上で静かに確かめている。

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紙の匂いと午後を編む、窓辺の彼女の静かな時間
風に揺れる白シャツ、花影でほどける午後のひと呼吸
白シャツの彼女、花景色と静けさを分け合う午後
白衣のデスク、青い画面に滲む静かな脈拍音
夜更け、ナースデスクに揺れる灯と息の気配
黒板とマフラー、冬の教室に灯る約束の笑み
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