胸の影ゆらぎ、頷き合う静かな二人の今宵の夜

窓の灯りに、豊かな胸元の影が柔らかく揺れる。
ふたりは言葉よりもゆっくりな視線を交わし、触れる前の空白を大切に味わう。
静かな呼吸が、夜の深みへと導く。
合図は小さな頷き。
手のひらが輪郭をなぞり、布が擦れる音だけが部屋に残る。
合意の温度は確かで、鼓動は互いを数えるように重なる。
夜は長く、窓外の街が遠のく。
重なり合う息と体温の間に、約束のない安堵が生まれ、ふたりはただ、今というやわらかな波に身を委ねた。
カーテンが微かに鳴った。