白に揺れる二彩の髪、触れない微熱の午後に

薄い白の衣装が、朝の光に溶ける。
青と桃の髪先が、静かな空気を撫で、彼女は一歩だけ近づいて、息の温度を確かめる。
音はないのに、布のさざめきが心を叩く。
目を伏せるたび、色はやわらぎ、輪郭は淡くなる。
触れずに眺める距離が、いちばん美しいと知る午後。
光の粒が肩へ舞い、まだ誰にも名前のない気配だけが残った。
白は決して無垢だけではない。
隠すことと見せることのあわいで、彼女は静かにたゆたう。
二色の髪がつくる虹の手前で、心だけがそっとほどけていく。

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