青いワンピと浜辺、波間にほどける静かな午後

潮の匂いがそっと裾を撫で、青のドレスは空と競うように澄んでいた。
彼女は砂の柔らかさに身を預け、波の呼吸を数える。
遠くでカモメが、時間の角を丸くする。
ポケットに忍ばせた小さな願いは、まだ言葉にならない。
指先ですくった光の粒が、膝の上で静かにほどける。
今日という日が海に溶けても、青だけは確かに残る。
風がページをめくるたび、未読の夏が現れる。
彼女は微笑み、波打ち際に座ったまま、次の一歩をあわてずに待った。

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