麦わら、短パン、風鈴鳴る道で夏がほどける

陽の粒が跳ねる土の道。
麦わらのつばが影を落とし、ショートパンツから伸びる脚に風がかすかに触れる。
成人した彼女は、肩の力を抜いた笑みで、今日という頁をめくる。
遠くで蝉が鳴き、潮の匂いが混ざる。
幼い記憶はやわらかく遠のき、いまは自分の歩幅で進むだけ。
カメラ越しに視線が重なり、言葉より先に、確かな夏の温度が伝わった。
彼女は手首の赤い糸を結び直すように、帽子のリボンを整えた。
影と光のあわいに立ち、深呼吸ひとつ。
まだ見ぬ海へ続く白い道、その入口で、今日の自分を静かに肯う。

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