ベランダに白シャツ揺れ、夜風は静かに満ちる
ベランダに立つ彼女の白いシャツが、夜風にさざめく。
冷えた手すりへ指を置き、遠くの交差点が潮のように明滅するのを見つめている。
窓辺から漏れた灯りが、頬の輪郭を淡くなぞった。
仕事帰りの皺をそのまま連れて、パンツの裾が小さく揺れる。
靴音だけが一日の続きを語り、言葉にならない余白が胸の奥でゆっくりほどけていく。
目を閉じれば、誰にも触れられない静けさだけが寄り添う。
微かな香りと体温、そして未明の青。
深呼吸ののち、彼女は肩を落とし、また街の明かりへ視線を戻した。