終電後、ベッドでほどける勤務の影と鼓動の音

終電を逃した夜、ビジネススーツのまま小さな宿の白いベッドに腰を下ろす。
伝線ひとつないパンストが、室内灯を柔らかく弾き返し、今日のざわめきを静かに撫でる。
解けきらない緊張と外したピアス。
膝を揃えて踵を少し浮かせると、薄いナイロンが微かに鳴り、呼吸はいつもより深く長い。
指先はシーツの皺を辿り、心も同じ線をなぞる。
明日また背筋を伸ばすために、今夜だけ境界を緩める。
仕事と私、その間にある滑らかな光沢が、眠りへと視線を導いていく。

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