長い髪と白シャツ、マイクに咲く夜の歌声を聴く

白いシャツの裾が、スポットライトの風にふわりと揺れる。
長い髪がリズムをなぞり、唇から零れる歌が、客席の暗がりに小さな灯をともす。
ひと息ごとに、夜の温度がゆっくり上がっていく。
音の谷間で、彼女は目を閉じた。
言葉にならない思いが、マイクの銀に触れて震える。
その震えは遠い誰かの胸元へ届き、拍手になって戻る。
歌が終わるころ、世界は少しだけやさしかった。

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