
小さな不注意でできた大きな「boo-boo」(擦り傷)に大きな絆創膏を貼る彼女。
鏡の前でふっと息をつき、笑って肩をすくめる。
かすかな痛みより、今日という一日の続きのほうが気になる。
カーディガンの袖を直し、湯気立つマグを両手で包む。
白いテープの下で鼓動が静かに整い、窓辺の光が肌をやわらかく撫でる。
ふと見せる横顔に、少しだけ頼りなさと、凛とした強さが同居する。
つまずいても、きれいに貼ればまた歩ける。
彼女の大きな絆創膏は、失敗の隠れ家であり、明日の予告編でもある。
指先で縁をなぞり、深呼吸。
次のページは、もうめくられかけている。






