打ち上げ花火の下、抱き合い交わす約束の口づけ

夏の夜風が頬をなで、空に大輪が咲くたび、肩に落ちる光の粉が二人を近づけた。
手を探し合う指が絡み、鼓動の音が遠い花火と重なる。
音の余韻に包まれながら、彼と彼女はそっと抱き合い、唇を確かめるように触れ合わせる。
火薬の匂いと海の湿り気、胸の奥の熱が、短い季節の先行きをやわらかく照らした。
目を開けば、夜空に残る煙が薄いベールのように揺れていた。
言葉の代わりに交わしたのは、小さな約束——来年も、この景色でまたキスをしよう。

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紙の匂いと午後を編む、窓辺の彼女の静かな時間
風に揺れる白シャツ、花影でほどける午後のひと呼吸
白シャツの彼女、花景色と静けさを分け合う午後
白衣のデスク、青い画面に滲む静かな脈拍音
夜更け、ナースデスクに揺れる灯と息の気配
黒板とマフラー、冬の教室に灯る約束の笑み
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