灰色トップスと青短パン、風が撫でる帰り道

灰色のトップスに、青いショートパンツ。
夕暮れの光は、彼女の脚のラインをやわらかく縁取り、歩幅のたびに裾がかすかに揺れる。
汗ばむ夏の匂いと、新しい風。
大人の余裕をたたえた瞳がこちらを一度だけ振り返り、笑みとも溜息ともつかない気配を残していく。
触れずにいる距離が、いちばん近い。
言葉より確かな鼓動が、薄い布の重なり越しに静かに伝わって、夜のはじまりを告げた。
遠くで信号が変わる音さえ、合図のように。
そっと近づく夜気。

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