きちんと準備したはずなのに、大切な時に肝心な物を忘れてしまう―。そんな時は「トリガー」(引き金)を使って、忘れ物防止をする方法が有効です。
「トリガーってなにそれ?」という方。大丈夫です。いっても特段難しいことをしたり、なにか特別な訓練をしたりという訳ではありません。心理的な、ちょっとした「仕掛け」を用意しておくことで、「あ! そうだ!」と記憶を思い出すテクニックです。
違和感、唐突感を味方につける
まずは自分のライフサイクルの中でどんな時でも必ずやることをリストアップしてください。たとえば
- 歯磨き
- 玄関の鍵
- 天気予報チェック
- 手帳確認
- テレビをみる
- PCでネット
- 携帯・スマホ充電
などなど。本当に何でもよいので、習慣化された行動をピックアップしましょう。この行動に関係するシーンにメモや付箋を用意して「○○忘れ物注意!」とするのが第一段階です。
第一段階でうまくいかない人は第二段階の「トリガー」を用意します。それは「忘れてはいけない物」につながる動線(ルート)に全く無関係な物を唐突にセットしておく方法です。私が過去に実際やったことあるのは以下の通りです。
- 玄関にマグカップを置く
- 洗面所に靴を置く
- テレビの前にぬいぐるみを並べる
- 靴の中に消しゴムを入れておく
大切なのは「ここにあるのがふさわしくない物がある」というギャップやサプライズをうまく使うこと。「なんでここにマグカップ置いたんだっけ…あ! そうだ!」と思い出すための「きっかけ」を作ることです。
人間は「見慣れたものはよく見ない」という習性があります。簡単にいうと、パッと見で判断して「はいはい、いつもと同じね」と脳内ショートカットしてしまうということなのですが、これを逆に使うのが忘れ物防止トリガーです。「見慣れた風景に異物を放り込んで、記憶の備忘録」にしてしまうわけですね。トリガーもいつも同じだと「慣れ」が生じますが、いくつかパターンを用意して使い回すと、いろいろなことが安心して忘れられるので、ものすごく便利ですよ!