仕事、恋愛、友人関係、家族…およそ人間生活を送っていく上で「何かを人に頼む」というのはとても大事なスキルです。
世の中には「頼み上手」の人たちがいて、忙しい場面や難しい案件でもサッサと「お願い!」できる人たちがいます。波風を立てず、面倒も起こさずに「頼み事」ができる、というのはうらやましい限りですね。今回はそんな「頼み上手」たちにならった「成功率をぐーんと上げる『頼み事』の仕方」を紹介します。
「~だから」「~なので」の理由を付ける
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「資料取ってきてほしい」
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「コーヒー入れてもらえる?」
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「駅まで迎えにきて」
大体、こんな感じでしょうか。では、このような頼み事をしたとき、成功率はどうでしょうか? ムッとされたり、しぶしぶだったりと後味の悪い思いをすることもしばしばではないでしょうか? 中には相手から「イヤです」ときっぱり断られて、険悪なムードが漂ってしまうこともあるかもしれません。
そもそも、人が人を動かすというのはとてもエネルギーの要る行為ですし、頼み事が命令調だったりすると、上下関係や力の差を意識させて、不快な思いを抱かれやすいですね。
では、相手に不快感を抱かせず、「お願い」をスルッとかなえてもらうにはどうするか? 有効な手段の一つに「頼み事に理由を付ける」という手法があります。
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「○○だから、□□してほしい」
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「~××なので、▽▽してもらえない?」
やり方はこれだけです。理由の部分は「自分の現状、ピンチ」「相手への信頼、愛」を具体的ににじませると、お願い成功率の確度が上がりますが、人はこの「~だから」「~なので」という言葉に反応して、自動的に要請を受け入れてしまうことが社会行動学で知られています。
この自動的な反応の背景には、人間が「物事をより考えず、簡単に済ます方向を選びたがる」習性があるためとされ、理由の内容も吟味せず、半ば条件反射的にお願いごとを聞いてしまう例が報告されています。
深く考えるような頼み事は難しい
ただ残念ながら「理由を付ければなんでも頼み事OK」とはいかず、頼み事の内容が時間をかけて検証する必要があるものや、論理的に考える小難しいテーマの場合は「ちょっと待って」と制されるので、理由付けの自動反応を期待するのは難しいと思います。
とはいえ、日常生活上の頼み事なら何とかお願いできてしまうケースが多いので、乱発しない程度で使ってみてください。冒頭の頼み事例も下のようにお願いすると、なかなか抗しがたい感じがしませんか?
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「3時からの会議の準備が間に合いそうにないので、資料取ってきて」
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「君の煎れ方が大好きだから、コーヒー入れてもらえる?」
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「駅まで迎えにきて。あなただからお願いできるの」
【参考図書】
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか | ||||
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