電子メールでのやりとりが増えた世の中ですが、オフィシャルな書類は、きちんと紙でやりとりするのがまだまだ普通です。このオフィシャルな書類、受け取った時、きっちり三つ折りにしてあると感動するのですが、いざ自分で折るとなるとなかなか綺麗に折ることができませんね。
オフィスで主流のA4(297㎜×210㎜)であれば、三つ折りの一辺は99㎜となので、定規を使ってさくさく折れますが、それ以外の紙となると、お手上げです。ここはなんとか、どんな紙でも長方形なら三等分に折れないと気が済まないと奮起して、自分なりに3等分する方法を考えてみました。もちろん、道具は使いません。紙に折り目はつきますが、なにかと役に立つ方法なので、ぜひお試しあれ!
折るのは5回でOK
結論から先にいいます。A4やB4などの長方形、計5回折って三つ折りにすることが可能です。図式すると下記の通りです。
【手順】
- 上手のような四角形ABCDがあります。
- 対角線BDを折ります。
- 続いて長い方の辺(辺AB、辺CD)を中点で半分(線EF)に折ります。
- 対角線BDと対角線AFの交点Pは対角線BDを3等分しているので、Pから辺AB、辺CDに対して垂線となる折り目が三つ折りの基点となります。
- 交点Pを通る青線の折り目は三つ折りになっているので、辺BCを青線に重ねるように折って三つ折り完成!
【説明】
実はというか当たり前なのですが、交点Pは三角形ACDの重心です。三角形の頂点と対応する辺の中点を結んだ線を中線(ちゅうせん)といいますが、ここで大事なのが三角形の重心は中線上にあるという点です。ここでは辺ACと辺CDを使って、交点(=三角形ACDの重点)Pを生み出しています。
交点Pを基点とする「三角形の重心」には下記のような規則があります。
- 三角形の重心は中線の交点
- 重心は中線を2:1に分割
- 3本の中線は重心で交差
この規則と中点連結定理を用いれば、対角線BDは頂点D側から2:1、1:2で分割されますね。線分が2:1と1:2に分割されているということは、対角BDが仮に18センチとすれば、6センチ:3センチ、3センチ:6センチですから、6センチ単位で3分割することが可能、ということになります。
まとめ
長方形の紙を三分割(三つ折り)する方法、いかがでしたでしょうか。実際には紙の厚さも考慮する必要があります。一般に内側に谷折りしていく「巻三つ折り」と外側に山折りしていく「外三つ折り」(Z折り)がありますが、「巻き」の場合は交点Pより若干控えめの場所を折るなどの調整をするとよいかもしれません。
私が大好きなサイトのひとつ「誠 Biz ID」には「A4用紙を手軽に三つ折りする方法」なるものが紹介されていますが、こちらは見た目が綺麗である反面、きっちり三つ折りになっていないという弱点も抱えています。
逆に私の方法では、紙にいろいろな折り目が付いてしまう点や「巻き三つ折り」では調整が必要という弱点があります(三つ折りにしたい紙が1枚犠牲になってもよいという条件であれば三つ折りが終わった紙を台紙として使用することは可能ですが…)。それぞれのメリット、デメリットを考慮の上、目的に合った使い方で何かしらお役に立てれば幸いです。
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