みなさんは「天使のひざ枕」ってご存じですか?
知っている方も多いと思いますが、斬新な発想が話題となった「男性用おしっこ補助器具」です。
3年半前に登場し、「『ぷっ』すま」や「ホンマでっか!?TV」、「とくダネ!」などでも取り上げられ、瞬く間にメディアを席巻した強烈なインパクトがあるアイディア商品なのですが、なんと2011年8月にひっそり販売終了となっていました。
今一度「天使のひざ枕」を振り返る
「天使のひざ枕」は、主にトイレ掃除を担うであろう世の中の奥様方のために「洋式トイレで男性が膝を曲げておしっこすることで、床へこぼれたり、飛び散ったりするのを防ぐ目的で開発されました。
開発したのは山形市にある企業組合「企業組合ハウスドクターやまがた」の企画開発部による「快適♥らいふ研究所」です。
おしっこの飛び散りは悪臭要因ワーストワン
同研究所がNPO法人住宅検査協会のデータを基に調査した結果では、「男性の尿の飛び散り」がトイレの不快臭原因のワーストワンとされ、「天使のひざ枕」を使って「立ちひざスタイル」でおしっこをすることで臭いの改善につながり、掃除も楽になるというのが最大の売りでした。
男性がトイレを汚す5つの原因
(快適♥らいふ研究所サイトより)
【洋式便器で立って用をたす場合】
- 出だしのとき、予測できない方向に飛び、便器からはずれること。
- 一筋にまとまらず、乱れて広がり、周辺に飛沫が飛び散ること。
- 着水時に、跳ね返りが生じ、便器周辺に飛び出すこと。
【洋式便器で座って用をたす場合】
- 尿の出口を真下に向けないと、前方に飛び散ります。
- 終了時の切れが悪いと、立ち上がったときにポタ落ちがあります。(立ってする場合も同じです。)
実は1000個も売れていた!
メディアでの扱いはキワモノ風だったり、ジョークめいていたのですが、実は底堅い売り上げがあったようで3年半で1000個もの売り上げがあったそうです。DXタイプが1組5800円、標準タイプが1組4800円でしたので、なかなかの成績だったと思います。
売り上げがあったにもかかわらず、2011年8月2日で快適♥らいふ研究所を閉鎖し、「天使のひざ枕」の販売中止したのですが、店長の蒲生成子さんは理由を「本業多忙により」としています。
サイトではスタッフの年齢や家庭環境の変化などが挙げられていますが、山形市が拠点の住宅業者さんですので、5カ月前の東日本大震災の影響もあったのではないかと推測されます。
事業の譲渡先を探している!
快適♥らいふ研究所によれば、サイト閉鎖後も月間20個程度の注文があるそうで、同研究所では「『天使のひざ枕』が消滅するのは残念」ということで、製品の権利(特許(特願2008-269127)・商標登録(第5157179号))を全面的に譲ることで、事業を引き継いでくれる方を募集しています。
見た目のスタイルはひざ立ちで、格好良いとはいえませんが実用性は高く、爆発的ヒットは見込めずとも、底堅い需要も見込める「珍?アイディア商品」ですが、我こそはと思う方は後継に名乗りを挙げてみるのも面白いかも知れませんね。