筆者宅の家電たちが雪崩を打つように一気に壊れました。
まず、2週間前の洗濯機に始まり、デジカメのAFが効かなくなり、エアコンから水滴がこぼれ始め、PCは真っ暗、そしてテレビが夜中に突然点いたり消えたりして、そろって修理・点検となりました。
家人は「ポルターガイストとか、怨念とかじゃ…」と怯えてますが、筆者は霊とはまるで無縁の人なので「単なる偶然」と割り切っています。とはいっても、ここまで重なると少し不気味にもなり方々可能性を探ってみました。
その中で面白かったのが、俗説というか都市伝説的に「物が壊れやすい体質」というのがあるそうで、今回はそれらのまとめです。ノーベル物理学者ですら、その体質?で周囲から迷惑がられたというエピソードもあるんですよ。
有名なのは静電気説
物、特に家電類が壊れやすいというのには、使う人が静電気を帯びやすい「帯電体質」なのだという説を聞きます。
曰く「人間の体内は弱アルカリ性で皮膚が弱酸性で、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなどで体内イオンが狂い、静電気がたまりやすい」というものですが、現在は科学的根拠はないとされます。
帯電体質は血液ドロドロ体質で、冷え性、肩こりなどの不定愁訴改善には血液のPHを云々という健康情報も見掛けますし、悩んでいる方は乾燥肌やアトピー体質の方などは「痛い」「つらい」とかなり真剣なご様子なのですが、「静電気を逃がしにくい」のであれば、導体とつながったアースを取ればいいのでは?と思うのですが、素人考えなのでしょうか。
でた、パウリ効果!
発言小町に寄せられている質問などを拝見すると、静電気説以外にも「物が壊れる」原因はさまざま推測されています。
面白いところでは「せっかちだ」「取説を読まない」「霊感」などがありますが、飛び抜けてユニークなのは「パウリ効果」だと思います。
このパウリというのはヴォルフガング・エルンスト・パウリ(Wolfgang Ernst Pauli, 1900~1958年)というスイスの物理学者に由来していて、この方、現代化学の基礎となる排他原理という業績で、あのアインシュタインに推薦されてノーベル物理学賞を受賞した天才、奇才、もうすごい方なんですが、実験が苦手という珍しいタイプの学者さんでもありました。
というのも、このパウリさん、「触れるもの」「近付くもの」が「とにかく壊れる」ので有名で、他の研究仲間からも「パウリに装置を触らせるな」といわれたほどだったようです。
逸話の中には「パウリが部屋に来たら、シャンデリアが落ちる仕掛けを作って、『パウリ効果』で歓迎しようと作戦を立てたが、本人が来たら肝心の仕掛けが壊れて、シャンデリアは落ちなかった」という話も伝えられています。
ただ、パウリ効果が単なる体質や性格であれば、笑い話ですむのですが、パウリさんと親交のあった学者の1人にカール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung、1875~1961年)がいて、「意味のある偶然の一致(シンクロニシティ)」について研究進めを共著も発表しているとなると、霊感ゼロの筆者でも少し背中がざわざわとしてきます。
因果や運命とか言い出すと、オカルト臭が漂ってくるのでやめますが、2011年の東日本大震災の時には、実にたくさんの予知夢、あるいは宏観現象といった「科学では説明がつかない現象」が飛び交って(当たっていたり外れていたりまちまちでしたが)正直、ちょっと怖くもなり、しかも「物が壊れる」という点では、虫の知らせのようにゆかりの品々が形を喪失するという現象も見聞きしました。
人間ってやはり理屈で説明がつかないと落ち着かないもので、家電の一斉故障から、わんわんと話が膨らんでしまいましたが、静電気原因説で説明がつく方が幸せな気もしてきました。