仕事術 ライフハック

悪口、愚痴、弱音を口にすると結局、自分のパフォーマンスが激落ちする件

「誰のためにもならない言葉は口にするなよ」

高校の時、大変お世話になった英語のK先生の口癖でした。先生は癌のため53歳の若さでお亡くなりになってしまいましたが、最期の時まで不平不満を言うことなく旅立っていったそうです。

K先生のような境地には全然たどり着けていませんが、筆者自身もなるべくネガティブな言葉は吐かないよう気を付けています。

昔から「人を呪わば穴二つ」という言葉がありますが、この言葉に潜む負の連鎖の仕組みとは一体どんなものでしょうか? 今回は不平不満、悪口、愚痴などについて掘り下げてみたいと思います。

相手良し、自分良し

潜在意識には「主語がない」といわれます。主語がないので「○○さんって、本当に無能だね」と口にしても、潜在意識では「○○さん」の部分はなくなり、「本当に無能だね」という言葉だけが自分の中に残ってしまう、という流れです。

別名言い方をすれば「脳は主語を理解できない」のだそうで、結局は自分に返ってくるというまとめ記事もありました。他人を傷つけるつもりが、実は自分も傷ついているわけですから、いたたまれません。

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自分に返ってくるのであれば、他人に向けるのも、悪口、愚痴、弱音といったマイナス思考の言葉よりも、プラス思考の言葉が「相手良し、自分良し」のいいことづくめの結果をもたらしてくれるのは納得のいく考え方な感じがします。

やっぱり脳にも悪いらしい

潜在意識、プラス思考などと連呼すると疑似科学っぽくなってきますが、実は同様の理論展開が脳神経外科医である林成之さんの著書「脳に悪い7つの習慣」でも取り上げられています。

ベストセラーになった本なので、ご覧になった方も多いと思いますが、林さんは、サッカー日本代表監督で、脳梗塞を患ったイビチャ・オシムさんを救った「脳低温療法」を考案した救急救命医療専門家であり、北京五輪の際は水泳の日本代表チームに招かれてアドバイスを行い、メダルラッシュに貢献したと言われる著名医です。

さて、その林さんが脳にとって悪習である説く7項目ですが、

  1. 「おもしろくない」「興味がない」と物事を避ける

  2. 「嫌だ」「疲れた」とグチを言う

  3. 言われたことをコツコツ努力する

  4. 常に効率を考えている

  5. やりたくないのに我慢して勉強する

  6. スポーツや絵などの趣味がない

  7. めったに人をほめない

としています。この中で、「コツコツ努力」や「スポーツや絵などへの興味」はともかく、「おもしろくない」「グチを言う」「人をほめない」という辺りは今回の記事の趣旨にどんぴしゃ!です。

林さんは「生きたい、知りたい、仲間になりたいというのが脳の本能」と前置きした上で、7つの習慣について「脳は好き、楽しい、嬉しい、面白いと感じることでパフォーマンスが飛躍的に上がる」と説明しています。

情けは人のためならず

林さんの主張だけでなく「笑うことで免疫力があがる」といった本も話題になりましたが、こうして考えていくと、根底の部分はみんな一緒な感じがします。つまるところ「自分さえよければよい」「他人などどうでもよい」という発想はかえって「自分を苦しめる」という結果を導く、ということです。

今回、記事を作成するに当たり、冒頭のK先生の「誰のためにもならない言葉は口にするなよ」という言葉をもう一度かみしめてみました。あらためて感じることは、不平不満や悪口、愚痴などを言ったところで、物事はまるで前進しませんし、その時はストレス発散できたと思っても、だんだん気持ちもすさんでしまうという点です。

「人を呪わば穴二つ」の負の連鎖から切り出した記事でしたが、めぐりめぐって「情けは人のためならず」や近江商人の心得「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」といった格言にたどり着いた感があります。

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