先だって、京大卒で古着屋さんを営むIchiro Wadaさんののブログ「ICHIROYAのブログ」に「億万長者になる方法を著名起業家たちから学んでみたら・・・」という記事がインフォグラッフィク付きでアップされていました。
ラスベガス・サンズのCEOシェルダン・アンダーソンやPaypal創業者のイーロン・マスクといった各氏の成功過程にまじって、ユニクロの柳井正、ソフトバンクの孫正義、楽天の三木谷浩史といった方々も記事中で触れられていて大変興味深かったです。
筆者は億万長者を目指しているわけではありませんが(なれるものならなりたいですが)、こういった成功者の思考や特徴というのにはとても興味があります。いや、ビジネスの成功者に限らず、ホーキング博士やイチロー外野手や羽生善治棋士などなど、各界を代表する天才と呼ばれる人たちも同じように関心が沸いてきます。
成功者や天才というカテゴリが成り立つかどうか分かりませんが、ここにどうやら「共通する特徴」があるとすれば、ちょっと面白そうな気がしませんでしょうか?
直線的に開花するものではない
実は、天才や成功者と呼ばれる人たちが、その遺伝的ポテンシャルだけで並外れた業績を残すというのはあまり例がないようです。むしろ努力や失敗ばかりで、それでもめげずに立ち向かっていくことで、ある臨界点で爆発的に開花していく感じです。
こうした意味では、天才や成功者というのは「努力や失敗にめげずに続ける」という部分が才能といえるかもしれません。ひところ話題になったマルコム・グラッドウェルの本天才! 成功する人々の法則でも、「その道をマスターするには、練習や訓練、鍛錬で1万時間を費やさなければならない」という説が主張されており、この1万時間をいかに正しく、早くクリアが成功のカギになっているとも考えられます。
闘争心や好奇心をどう引き出すか
1万時間の法則と似たような考え方では、楽天の三木谷浩史社長の成功のコンセプト (幻冬舎文庫)で、1.01と0.99の乗算の話が出ているのが面白いです。
三木谷さんの主張は単なる算数なのですが、毎日1ではなく、ちょっとずつ頑張って1.01で仕事をする。それを続ければ365日(1年後)には最初の1がおよそ38倍になっている、というものです。逆に毎日ちょっとさぼって0.99でしか仕事しないと、1年後にはおよそ0.02と最初より少なくなっているというものです。
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1.01^365 = 37.7834343
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0.99^365 = 0.0255179645
比喩的な話であるとはいえ、1%の違いが後々大きな違いを生み出すというのは、毎日の練習や訓練で「あと1歩」を続けることの大切さを訴えています。
では、これら1万時間や1.01をどうやって続けて成し遂げていくかということになりますが、上述のグラッドウェルさんの分析では「無理矢理でも正しく叩き込まれれば機能する」的な言及も見られます。でも、どうも受け身になってしまいますし、能率が悪い上、人格形成にもよろしくない気がします。
やはり、この辺のカギは「あいつには負けねぇ」「絶対勝ってやる」といった闘争心や「この問題難しいけど超面白い」「あれ、この方法って楽しい」といった好奇心が原動力にあるのでしょう。
教育や努力でなんとかなるものなのか
なるべくして天才、成功者になる、というのが、初期能力の違いでなければ、私たち普通の人が教育や努力で何とかなるものかと思ってしまいます。とりあえず狙い定めた分野で1万時間こなせば1人前という部分は短期間でなければなんとか頑張れる感じですよね。
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1日3時間であれば9.13年
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1日5時間であれば5.48年
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1日8時間であれば3.42年
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1日12時間であれば2.28年
これらの練習、訓練時間を子どもの時間のうちにどれだけこなしていけるかが、教育の問題になるのだと思いますが、単なる詰め込みではなく、子どもたちのやる気や闘争心、好奇心を引き出し、自分から食いつかせるようにして没頭させる、というあたりがカギになるのでしょうか。となると、かなり高等な教育になってくると思われますので、こ親や学校、家庭といった環境にも大きく左右されるのかもしれませんね。